オブジェクト定数

値が変更できない定数をクラス内に定義することができます。 定数は、通常の変数とは異なり、定義または使用する際に $ 記号を付けません。 クラス定数のデフォルトのアクセス範囲は public です。

定義する値は定数表現である必要があり、(例えば)変数・プロパティ あるいは関数のコールなどであってはいけません。

インターフェイスに 定数 を持たせることもできます。 インターフェイスについてのドキュメント で例をごらんください。

PHP 5.3.0 以降では、変数を用いてクラスを参照することも可能です。 変数の値に (selfparentstatic といった) キーワードを指定することはできません。

クラス定数はクラス単位で割り当てられるものです。インスタンス単位ではないことに注意しましょう。

例1 定数の定義と使用

<?php
class MyClass
{
    const 
CONSTANT 'constant value';

    function 
showConstant() {
        echo  
self::CONSTANT "\n";
    }
}

echo 
MyClass::CONSTANT "\n";

$classname "MyClass";
echo 
$classname::CONSTANT "\n"// PHP 5.3.0 以降で対応

$class = new MyClass();
$class->showConstant();

echo 
$class::CONSTANT."\n"// PHP 5.3.0 以降で対応
?>

例2 静的なデータの例

<?php
class foo {
    
// PHP 5.3.0 以降で対応
    
const BAR = <<<'EOT'
bar
EOT;
    
// PHP 5.3.0 以降で対応
    
const BAZ = <<<EOT
baz
EOT;
}
?>

注意:

ヒアドキュメントや Nowdoc を用いた定数の初期化は PHP 5.3.0 以降で使えるようになりました。

PHP 5.5.0 以降では、特別な ::class 定数が使用可能です。 この定数により、コンパイル時の完全修飾クラス名が解決できます。 これは名前空間クラスに役立ちます。

例3 名前空間の ::class の例

<?php
namespace foo {
    class 
bar {
    }

    echo 
bar::class; // foo\bar
}
?>

例4 定数式の例

<?php
const ONE 1;

class 
foo {
    
// PHP 5.6.0 以降
    
const TWO ONE 2;
    const 
THREE ONE self::TWO;
    const 
SENTENCE 'The value of THREE is '.self::THREE;
}
?>

クラス定数のコンテキストで、数値リテラルや文字列リテラルそして定数を含むスカラー式を指定できます。

注意:

定数における式のサポートは PHP 5.6.0 で追加されました。

例5 クラス定数のアクセス範囲

<?php
class Foo {
    
// PHP 7.1.0 以降
    
public const BAR 'bar';
    private const 
BAZ 'baz';
}
echo 
Foo::BARPHP_EOL;
echo 
Foo::BAZPHP_EOL;
?>

上の例の PHP 7.1 での出力は、このようになります。

bar

Fatal error: Uncaught Error: Cannot access private const Foo::BAZ in …

注意:

PHP 7.1.0 以降は、クラス定数のアクセス範囲を指定できるようになりました。