実行時設定

php.ini の設定により動作が変化します。

ファイルシステムおよびストリームの設定オプション
名前 デフォルト 変更可能 変更履歴
phar.readonly "1" PHP_INI_ALL  
phar.require_hash "1" PHP_INI_ALL  
phar.extract_list "" PHP_INI_ALL phar 1.1.0 から 1.2.3 で使用可能、2.0.0 で削除
phar.cache_list "" PHP_INI_SYSTEM phar 2.0.0 以降で使用可能

以下に設定ディレクティブに関する 簡単な説明を示します。

phar.readonly boolean

このオプションを使用すると、phar ストリームや Phar オブジェクトによる Phar アーカイブの作成や変更ができなくなります。 この設定は、実運用環境では常に有効にしておくべきです。 phar 拡張モジュールのこの機能は、 サーバー上に他のセキュリティ上の脆弱性があった場合に php ベースのウィルスを直接作成されてしまうことにつながります。

注意:

この設定は、セキュリティ上の理由により php.ini でしか解除できません。 phar.readonly を php.ini で無効にした場合は、 ユーザーがスクリプト内で phar.readonly の有効/無効を切りかえることができます。 phar.readonly を php.ini で有効にした場合は、 スクリプト内でこれを "再度有効にする" ことはできますが、無効にすることはできません。

phar.require_hash boolean

このオプションを使用すると、署名つき (現在サポートしているのは MD5、SHA1、SHA256 および SHA512) の Phar アーカイブのみをオープンするようになります。 署名を含まない Phar アーカイブの処理はできません。

注意:

この設定は、セキュリティ上の理由により php.ini でしか解除できません。 phar.require_hash を php.ini で無効にした場合は、 ユーザーがスクリプト内で phar.require_hash の有効/無効を切りかえることができます。 phar.require_hash を php.ini で有効にした場合は、 スクリプト内でこれを "再度有効にする" ことはできますが、無効にすることはできません。

この設定は、 PharData クラスで通常の tar ファイルを読み込む際には影響を及ぼしません。

phar.extract_list string

この INI 設定は phar 2.0.0 で削除されました。

phar アーカイブへのフルパスあるいはそのエイリアスと、 展開されたファイルの場所との関連付けを行います。 パラメータの書式は name=archive,name2=archive2 のようになります。 phar ファイルをディスクに展開して、 展開したファイル群へのマッパーとして phar を扱えるようになります。 これを行うのは、たとえばパフォーマンスを向上させたい場合や phar のデバッグを行いたい場合などです。

例1 phar.extract_list の使用例

php.ini で、次のように記述します
phar.extract_list = archive=/full/path/to/archive/,arch2=/full/path/to/arch2
<?php
include "phar://archive/content.php";
include 
"phar://arch2/foo.php";
?>

phar.cache_list string

この INI 設定は phar 2.0.0 で追加されました。

phar アーカイブをウェブサーバーの起動時に事前にパースさせるようにします。 これによりパフォーマンスが向上し、 ディスク上に配置した伝統的なファイルに近い速度で実行することができます。

例2 phar.cache_list の使用例

php.ini (windows):
phar.cache_list =C:\path\to\phar1.phar;C:\path\to\phar2.phar
php.ini (unix):
phar.cache_list =/path/to/phar1.phar:/path/to/phar2.phar